アニラバANIMAL LOVERS / FUKUOKA
ヒョウモントカゲモドキ

エクリプス / Eclipse

眼の全体または一部が黒く見える潜性モルフで、アルビノと重なると赤〜ルビー色に。眼の表現には左右差や個体差があります。

遺伝形式
潜性(劣性)タップで解説
Super / Homo
あり エクリプス(2コピーのビジュアル。スーパー名は設定しない)
別名/旧称
Eclipse
最終確認日
2026-10-09

このモルフについて

エクリプスとは

エクリプスは、眼の見え方を大きく変えるヒョウモントカゲモドキの潜性モルフです。非アルビノでは黒一色に見える眼、アルビノとの組み合わせでは赤〜ルビー色の眼が代表的ですが、眼全体が一様に変わる個体ばかりではありません。

一部だけが一様な色になるsnake eyesや、左右で表現が異なる個体も知られています。鼻先や四肢、尾先の白い部分も、エクリプスを含む個体を観察する際のポイントになります。

エクリプスはRAPTOR、RADAR、Typhoonなどの眼の表現を構成し、SnowやBlizzardを加えたコンボにも使われます。「黒い眼の総称」としてではなく、親情報・繁殖記録を伴う遺伝形質として理解することが大切です。

【C:繁殖者の形質説明・個体記録】
The Urban ReptileのEclipse
眼の部分表現と左右差の記録

資料区分:A=査読研究、B=大学・獣医・専門機関、C=作出者・繁殖者の一次記録、D=二次資料。

特徴・見分け方

両眼を別々に見る

眼全体が黒く見えるfull eyeのほか、一部が黒く見えるsnake eyesがあります。アルビノを含む個体では、同じような範囲の違いが赤い眼で見られます。

Henry’s Reptilesは、2021年に異なる親ペアから、片眼だけにEclipseの表現が出た個体を記録しています。片側の写真だけでは、その個体の眼の特徴を十分に説明できません。右眼・左眼の状態をそれぞれ記録します。

販売表記の「50% snake eye」などは眼の見た目の範囲を表す場合があり、hetである確率やEclipseアレルの割合とは別です。

鼻先・四肢・尾先

繁殖者の実例には、白い鼻先や足、白く抜けた尾先、尾の細かな斑点があります。全身の柄と一緒に観察しますが、白い足だけでEclipseやhet Eclipseを断定しません。

似た眼との区別

Super Snowは、それ自体に黒一色に見える眼が知られています。眼が黒いという共通点だけでEclipseを追加表記せず、親や作出記録を確認します。

【C:繁殖者の個体・眼の記録】
片眼表現の実例
鼻先・四肢・尾を含む繁殖個体例
Super Snow自体の眼の記録

遺伝・アレル関係

潜性形質と眼の表現幅

エクリプスは常染色体潜性として扱われ、通常は1コピーを持つ個体をhet、2コピーを持つ個体を発現個体として管理します。ただし、2コピーであっても両眼が完全に黒く見えるとは限りません。

full eyeとsnake eyesを、単純に「2コピーと1コピーの差」と捉えるのは誤りです。眼の表現が少ない個体についても、写真だけでhetへ格下げしたり、Eclipseを持たないと決めたりせず、親子関係と繁殖記録を確認します。

「Super」はEclipse側の段階ではない

Super Snow EclipseのSuperはSnow側が2コピーであることを示します。通常のEclipseよりさらにEclipseのコピー数が増えた、という意味ではありません。

今回確認した一次資料からは、Eclipseの原因遺伝子・原因変異を特定した査読研究は確認できませんでした。繁殖で扱われる遺伝形式と、分子レベルの同定は区別します。

【C:繁殖者の遺伝説明・作出記録】
潜性形質としての説明
ホモ接合体での眼の表現幅

作用・表現型への影響

眼の色と、色が広がる範囲

エクリプスを観察するときは、眼が何色かと、その色がどこまで一様に見えるかを分けます。非アルビノの黒い眼に対して、アルビノを含むコンボでは赤〜ルビー色の眼が知られています。

snake eyesは、通常の虹彩に見える部分と、一様な色に見える部分が同じ眼に存在する表現です。Tremper本人の比較資料にも、Rainwater Albino Eclipseのfull eyeとsnake eyeが並べられています。

体の表現も合わせて見る

Eclipseを含む個体では、白い鼻先や足、尾先などが目立つことがあります。一方、全身のオレンジ色やストライプまでEclipseだけが決めるわけではありません。アルビノ、Snow、柄や色の選別系統が重なると、眼と体の組み合わせが変わります。

眼の見え方を「瞳孔そのものが広がった」「虹彩がなくなった」といった解剖学的断定に置き換えず、ここでは確認できる外見の特徴として説明します。

【C:作出者の比較資料・繁殖個体記録】
Eclipse EyeとEclipse Snake Eyeの比較
体の白い部分を含む繁殖個体例

他遺伝子との相互作用・コンボ

RAPTOR・RADAR・Typhoon

Eclipseとアルビノを組み合わせる代表的な方向です。遺伝的な中心となる構成は、RAPTORがTremper Albino+Eclipse、RADARがBell Albino+Eclipse、TyphoonがRainwater Albino+Eclipseです。

RAPTORには色・柄を選別してきた背景がありますが、名前だけで体の柄が必ず消えるとは限りません。Tremper本人の記録にも、バンド、ストライプ、ジャングルなどを持つRAPTORが登場します。

Total Eclipse

Super Snow+Eclipseの組み合わせです。Super Snowの地色・斑点に、Eclipseを含む表現を重ねます。Super Snow単体でも黒い眼になるため、眼だけでこのコンボを判定しないことが重要です。

Diablo Blanco・White Knight

Diablo BlancoはTremper Albino+Blizzard+Eclipse、White KnightはBell Albino+Blizzard+Eclipseです。淡い体と赤い眼という似た方向でも、アルビノ系統は異なります。

【C:作出者・繁殖者の構成と個体記録】
RAPTORの柄の幅
RADARの構成と作出例
Typhoonの構成と作出例
Total Eclipse・White Knight・Diablo Blancoの説明

1

繁殖での使い方

繁殖での使い方の図

エクリプスの観察・構成・親選びを整理した説明図です。

詳しく見る

黒い眼を主役にするEclipse

非アルビノのEclipseを続ける親候補は、非アルビノEclipse同士です。両親のEclipseの根拠と、アルビノの保因歴を確認します。非アルビノに見える親同士でも、同じアルビノを保因していればアルビノの子が出る可能性があります。

両眼full eyeの親を選んでも、子の眼が必ず同じ範囲になるとは考えません。左右の眼、鼻先や四肢、全身の色と柄を別々に記録して選別します。

RAPTORへ赤い眼を重ねる

本図鑑の設計例は、Tremper Albino het Eclipse × RAPTORです。前者はTremperが発現してEclipseを確実に保因し、後者はTremperとEclipseが発現している個体を想定します。この組み合わせでRAPTORの遺伝的な構成を目指せます。

RADARを目標にするならBell Albino het Eclipse × RADAR、TyphoonならRainwater Albino het Eclipse × Typhoonという親候補になります。目標に応じてアルビノ系統を揃え、鮮やかな体色やストライプなど、眼以外に残したい表現も比べます。

Total EclipseへSnowを加える

設計例は、Mack Snow Eclipse × Mack Snow Eclipseです。両親にMack Snowが1コピーあり、双方がEclipse発現個体なら、Super SnowとEclipseが揃うTotal Eclipseを目指せます。黒い眼だけを見て親のEclipseを確定しないことが重要です。

Diablo BlancoへBlizzardを加える

設計例は、RAPTOR het Blizzard × Diablo Blancoです。前者はTremperとEclipseが発現し、Blizzardは確定het。後者はTremper・Eclipse・Blizzardが発現している個体を想定します。この組み合わせで3形質が揃ったDiablo Blancoを目指せます。

Bell系のWhite Knightなら、RADAR het Blizzard × White Knightが同じ考え方の親候補です。白い体と赤い眼という外見だけで、Tremper系とBell系の親を置き換えないようにします。

実際の交配記録との区別

ここまでの親ペアは、本図鑑が既知の遺伝形式とコンボ構成から組み立てた設計例で、特定の繁殖者の実施例として引用しているものではありません。いずれも目標個体を得られる可能性のある構成であり、全ての子がそのコンボや同じ見た目になる保証ではありません。

実際の記録として、OnlineGeckosはMack Snow Typhoon × Mack Snow Eclipseから得たEclipse het Rainwaterを、両親・孵化日とともに紹介しています。RADARの孵化記録では、親のreverse stripeを残す選別方針も説明されています。このように構成の記録と表現の選別を両方残すと、次の親選びに役立ちます。

【C:実際の交配・選別記録/親ペアの提案:本図鑑の設計例】
Mack Snow Typhoon × Mack Snow Eclipseの子の記録
RADARの柄を選別した作出記録

健康・繁殖上の注意

眼の外見だけで視覚を評価しない

黒い眼やsnake eyesという見た目だけで、視力や眼の健康を判断することはできません。今回の繁殖者資料は眼の表現を記録したもので、視覚機能を測定した臨床研究ではありません。片眼だけに表現があること自体を、病気の証拠として扱わない一方、異変をすべてモルフのせいにもしません。

アルビノを加えた個体では、Eclipse単体と分けて光への反応を観察します。Tremper本人はアルビノが強い光の下で目を閉じることを記録しているため、眼色の確認を目的に強い照明を当て続ける撮影は避けます。

【C:繁殖者による外見・光への反応の観察】
片眼表現の記録
Tremper本人のアルビノの眼に関する説明:Q24

歴史・由来

2004年に遡る眼のモルフ

The Urban Reptileの繁殖者資料では、Eclipseは2004年に現れ、後に潜性形質として確認されたモルフと説明されています。

その後はアルビノとの組み合わせだけでなく、非アルビノのEclipse、Snowを加えた個体、Blizzardを含むコンボなどへ広がりました。現在の繁殖者記録でも、Eclipse単体とコンボを分けて紹介する例が見られます。

一様な眼から、表現幅まで記録する

Tremper本人の資料には赤いfull eyeとsnake eyes、ほかの繁殖者の記録には片眼だけの表現も残っています。Eclipseの理解には、代表的な黒い眼の写真だけでなく、左右差や体の柄を含めた個体記録も役立ちます。

【C:繁殖者の歴史説明・一次個体記録】
Eclipseの歴史説明
full eyeとsnake eyesを含むRAPTORの記録
2021年の片眼表現の記録

潜性(劣性)Recessive
両親から 1 コピーずつ受け継いだときだけ見た目に出ます。1 コピーだけ持つ子は「het エクリプス」と表記され、見た目は通常と変わりません。

参考資料

このモルフを含むコンボ

お店にいるエクリプス