ストライプ / Stripe
背中と体側の斑紋が縦方向の線に変わり、腹面の市松模様がなくなるモルフで、線の長さや濃さには幅があります。
- 遺伝形式
- 潜性(劣性)タップで解説
- 別名/旧称
- Stripe
このモルフについて
ストライプとは
Stripe(ストライプ、Striped)は、コーンスネークの通常の斑を縦方向の模様に変える潜性モルフです。「縦筋がある個体」全般の名称ではなく、TesseraやTerrazzoとは区別する必要があります。【C】Stripe16
長い線も、淡く消える線も比較対象
Stripeでは、線を長く明瞭に残す方向と、成体で淡く柔らかく見せる方向で、評価する個体が変わります。ベビーの背中だけで選ばず、どこまで線が続くか、側面にも線が読めるか、親が成長後にどう変わったかを確認すると、好みの完成像に近づけます。
資料の読み方
【A】査読論文、【B】大学・獣医等の専門資料、【C】作出者・繁殖者・検査機関などの一次資料、【D】図鑑・登録資料等の二次資料を示します。資料区分と主張の確かさは別です。繁殖記録は遺伝形式の手がかりになりますが、写真だけで原因変異や保因状態までは証明できません。
特徴・見分け方
縦条は首・体の中央・後半に分けて見る
Stripeの基本は、背側と体側を縦に走る模様です。一本の背筋だけを見るのではなく、首からどこまで線が続くか、途中で点線や短い斑に変わるか、後半で薄くなるかを順に確認します。繁殖者の長期観察では、線の長さや濃さには幅があり、成長とともに目立たなくなる個体も説明されています。【C】Stripe16
線が切れていること自体を遺伝子型の誤表示と決めつけず、同じ親からの子や成長後の姿も見ます。逆に、非常に長い線が一本あることだけでStripeと確定することもできません。
腹面の市松模様と細かな点は別
腹面では、通常の市松模様がないことが確認点です。淡い体色や細かな点が残る場合があるため、「腹が完全な純白でなければStripeではない」という判定基準にはしません。【C】Stripe16
撮影では腹の前半だけでなく、後半や尾の付け根まで分かる画像が有用です。AmelやSnowのように黒色が見えないコンボでは、腹面の色だけに頼らず血統記録を重視します。
Tessera・Motleyとの比較箇所
Tesseraを比較するときは、背中の線に加えて体側のモザイク状の模様を見ます。Motley系と比較するときは、背側の斑が融合してできた形や、線の間の地色を確認します。複合モルフではこれらが重なって変化するため、比較は候補を整理する方法であって、写真だけの確定診断ではありません。【C】SMRのStripeと他の線状モルフの比較
成長で線が薄くなる個体の記録
目標が成体でも明瞭な縦条なら、幼体のコントラストだけでなく親の成体写真を確認します。淡く消える方向が好みなら、同じ個体の経時写真で変化を追います。撮影条件の違う別個体を並べて、成長変化と説明しないことが大切です。
遺伝・アレル関係
遺伝
StripeとMotleyは同一座の潜性対立遺伝子です。Stripe/StripeとMotley/Stripeは異なり、複合ヘテロでは融合した斑と縦条が混ざる中間的な表現が多く見られます。「Stripeを持つから全身がStripeになる」「Motleyが常に完全に隠す」という一律の説明は避けます。【A】Regulatory and disruptive variants in the CLCN2 gene are associated with modified skin color pattern phenotypes in the corn snake
Stripeを次世代へ渡す親の違い
Stripe/Stripeはすべての子にStripe側のアレルを渡しますが、相手が野生型アレルしか持たなければ、その子はStripeの確定ヘテロです。一方、相手もStripeを持てばStripe/Stripeを得る道ができます。
Motley/Stripeを親に使う場合は、Stripeだけを渡す親ではありません。Motley側を受け取る子も出るため、Stripe主体の計画ではこの分岐を見込んで記録します。販売上の「Motley het Stripe」という表記も、単なる別座の保因と読み違えないようにします。【A】同一座の対立遺伝子と複合ヘテロ
作用・表現型への影響
作用
StripeではCLCN2内へのLTRレトロトランスポゾン挿入と、タンパク質を途中で終わらせる変化が同定されています。遺伝子編集で似た模様が再現されたことも、CLCN2の関与を支えます。【A】Regulatory and disruptive variants in the CLCN2 gene are associated with modified skin color pattern phenotypes in the corn snake
縦条の有無と、見える色の強さは別
Stripeを持つコンボでも、色彩の変化で線と地色の差が小さくなることがあります。線が淡い場合は「Stripeの作用がない」と決めるより、首から後半まで同じ角度・照明で観察し、親の構成と照合します。模様の仕組みと、鑑賞時に線を読み取りやすいかは、別の評価になります。
他遺伝子との相互作用・コンボ
Amel Stripe:赤橙系の線を主役にする
Amel Stripeは、黒色素を欠く色彩とStripeの縦条を組み合わせます。完成像を選ぶなら、線の赤橙色を濃く残すのか、地色に溶け込む柔らかな印象を選ぶのかを比較します。SMRの解説にもAmel Stripeと線状のAmel Motleyとの比較があり、同じ暖色系でも模様の面積や配置を分けて見ることができます。【C】Stripe16
白っぽい縁や地色の量、左右の線の太さが比較点です。Amelが加わると黒さでは区別できないため、線の形そのものと親情報を確認します。
Anery Stripe:線と地色の濃淡を比べる
Anery Stripeでは、赤系の色を抑えた色彩に縦条を合わせます。暖色の強さより、灰色〜褐色系の線と地色の差をどれだけ保ちたいかが選抜の軸になります。線を濃く残す計画なら、体の後半まで濃淡差を読み取れる成体を比較します。
繁殖者の2023年記録には、Anery StripeとSnow Stripeを含む子を得た交配が掲載されています。記録中の子にはさらに別の保因要素があるため、掲載個体を全て単純な二要素コンボの標準像とは扱いません。【C】2023 BREEDING SEASON, post 16
Snow Stripe:淡色の中に線を残す
Snow StripeはAmel・Anery・Stripeを合わせた構成です。黒のない淡い色調で、縦条がどこまで見えるかを楽しむ方向になります。線と地色が近い色なら、写真一枚ではほぼ無地に見えることもあるため、淡さだけで選ばず実際の模様の残り方を確認します。【C】Anery Stripe・Snow Stripeの繁殖記録
SnowとBlizzardなど、似た淡色になる別の構成は名前を分けます。完成像が似ていても、次の世代で必要になる親の遺伝情報は同じではありません。
繁殖での使い方

ストライプの観察・構成・親選びを整理した説明図です。
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線の完成像を決めてから、色をそろえる
長い縦条を残す、体の後半まで濃くする、淡く柔らかな成体を作るなど、比較する場所を先に決めます。両親のStripe座を確認した後、目標のAmel・Anery等が両側にあるかを点検します。以下は遺伝関係から立てた設計例です。
Amel Stripeを目指す親候補
Amel Stripe同士なら、両親がAmelを発現しStripe/Stripeであることを確認したうえで、赤橙色と線の長さを選べます。狙う二要素を維持し、表現の比較に集中しやすい構成です。
好みの縦条を持つStripeを導入したい場合は、Amelの確定ヘテロを候補にします。相手のAmel Stripeと組むことでAmel Stripeが目標に残ります。Amelを持たないStripeなら、その世代のAmel発現ではなく、次へつなぐ保因個体を得る段階として扱います。
Anery Stripeを目指す親候補
Anery Stripe同士、またはAnery Stripeと「Stripe・確定het Anery」を比較候補にします。前者は二要素を揃えて成体の濃淡を選ぶ計画、後者は好みの線を持つ別系統を導入する計画として考えられます。
Aneryの濃淡を見たいときに、最初からHypoやDiluteなどを何種類も追加すると比較が難しくなります。まず目的の二要素に絞り、同じ照明で首・体の中央・後半の線を記録すると、次の親選びに使える資料になります。
Snow Stripeを目指す親候補
Snow Stripe同士は、Amel・Anery・Stripeを維持する出発点です。色の別系統を入れたいなら、「Amel Stripe・確定het Anery」と「Anery Stripe・確定het Amel」も候補です。相手の色彩アレルを互いに持つから、Snow Stripeへ進めます。
Amel StripeとAnery Stripeという名称だけでは、この配合条件は揃いません。互いに相手側を持たなければ、子は色彩の二座で保因になる構成です。「両親の色を足せばSnow」と考えず、AmelとAneryの各座を別々に記録します。
Motley由来の縦筋を追加するとき
線が好みでも、Motley/MotleyやMotley/StripeをStripe/Stripeと同じ親として扱いません。親IDと検証の根拠、各色彩の発現・確定het・poss hetを残します。縦条が淡い子も、判定できない段階で遺伝情報を削除せず、成長記録と次世代の確認に引き継ぎます。【A】StripeとMotleyの遺伝関係 【C】複数の色彩要素を区別した繁殖記録
健康・繁殖上の注意
健康
2025年の研究は、調べた幼体Stripeの脳に空胞化を認めましたが、成体では同じ所見を認めず、明らかな行動異常・視覚障害や不妊も観察していません。組織所見を無視した「問題なし」も、全個体が神経疾患になるという説明も、どちらもこの結果を超えます。【A】Regulatory and disruptive variants in the CLCN2 gene are associated with modified skin color pattern phenotypes in the corn snake
歴史・由来
歴史
繁殖者は縦条の長さや消え方を選抜し、色彩コンボにもStripeを使ってきました。一方、縦筋を作る別のモルフも普及したため、外観を示す「striped」と遺伝型としてのStripeを区別する重要性が増しています。2025年のCLCN2研究は、経験的な育種に分子的な根拠を加えました。【A】Regulatory and disruptive variants in the CLCN2 gene are associated with modified skin color pattern phenotypes in the corn snake 【C】Stripe16
潜性(劣性)Recessive
両親から 1 コピーずつ受け継いだときだけ見た目に出ます。1 コピーだけ持つ子は「het ストライプ」と表記され、見た目は通常と変わりません。
参考資料
- ARegulatory and disruptive variants in the CLCN2 gene are associated with modified skin color pattern phenotypes in the corn snakeSophie A. Montandon ほか ・ 2025
- CStripe16South Mountain Reptiles / Don Soderberg(アーカイブ投稿者表記:admin) ・ 2021
- C2023 BREEDING SEASON, post 16ecreipeoj(繁殖者本人) ・ 2023
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