アニラバANIMAL LOVERS / FUKUOKA
ボールパイソン

ラベンダーアルビノ / Lavender Albino

鮮やかな黄色と淡紫色の対比が特徴の潜性モルフ。成長とともに紫色が目立つことがあり、通常のアルビノとは区別して扱います。

遺伝形式
潜性(劣性)タップで解説
Super / Homo
あり ラベンダーアルビノ(ホモ接合体/変異型アレル2コピー)
遺伝子座/原因遺伝子
OCA2(1,514 bp欠失との関連が報告)
別名/旧称
ラベンダー・LA
最終確認日
2026-10-08

このモルフについて

ラベンダーアルビノとは

ラベンダーアルビノは、鮮やかな黄色と淡い紫色の対比が特徴の、ボールパイソンの潜性モルフです。通常なら黒〜褐色になる部分がラベンダー色に見え、明るい黄色の模様が残ります。白と黄色を主体とする一般的なアルビノに似ていますが、独立して管理する遺伝形質です。

『ラベンダー』と『アルビノ』を別々に足した二重潜性コンボではありません。Lavender Albino全体で1つのモルフ名です。ラベンダーアルビノにパイボールドを加えたものがドリームシクル、クラウンを加えたものがグレイルという、二重潜性コンボになります。

色を楽しむ土台、柄を広げる土台

単体では、成長に伴う淡紫色と黄色の変化を楽しめます。繁殖では、パイボールドの白抜けを組み合わせる方向と、クラウンの柄を組み合わせる方向が代表的です。目指す完成形によって、相手に必要な潜性形質が変わります。

【A:遺伝学研究/C:作出者の記録】

アルビノとラベンダーアルビノを区別した研究

ラベンダーアルビノの原系統・外見の記録

資料区分:A=査読研究、B=大学・獣医・専門団体、C=作出者・検査機関・繁殖者の一次資料、D=二次資料。

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特徴・見分け方

特徴・見分け方の図

ラベンダーアルビノ/提供された個体写真をもとに、背景と明るさを補正した参考画像です。

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黄色と淡紫色の境界を見る

Ralph Davisの原系統の記録では、黄色い部分の縁にオレンジ色が入り、白に相当する部分にラベンダー〜淡い青紫の色味が見られます。顎と腹側は白く、目は深いルビー色と説明されています。これらは同氏の個体についての観察で、全個体の色を同じ濃さに限定する基準ではありません。

幼体写真だけで判断しない

孵化直後には淡紫色が弱く、成長してから目立つことがあります。紫の濃さだけでなく、黄色の広がり、オレンジ色の縁取り、黄色と淡色部の境界を、幼体・亜成体・成体の順に比べると特徴をつかみやすくなります。

撮影条件にも注意が必要です。Ralph Davisは、フラッシュで黄色が強く写る一方、ラベンダー色が薄く写ると記しています。色の選別には、加工の強い写真よりも、同じ照明下で撮った親や成長後の写真が役立ちます。

自店のhet個体は外見の見本と分ける

アニラバの販売個体77は『ブラックヘッド エンチ イエローベリー パイボールド het ラベンダーアルビノ』の雌CBです。ラベンダーアルビノは保因として表記されており、発現個体ではありません。掲載ページには保因の根拠となる親情報や検査結果までは示されていません。その写真を、ラベンダーアルビノの体色や単体の標準像として扱うことはできません。

【C:作出者による外見の観察/自店販売記録】

原系統の写真と成長についての説明

hetラベンダーアルビノの自店販売個体

遺伝・アレル関係

潜性形質として管理する

ラベンダーアルビノは潜性形質です。発現個体と、通常の体色でも変異型アレルを1コピー持つhetを分けます。『色が薄い』『紫がかって見える』という印象だけでhetを判定することはできません。

一般的なアルビノとは別に考える

2022年の研究では、一般的なAlbinoはTYR、Lavender AlbinoはOCA2の変異と関連していました。同じ座位の互換アレルとして置き換える根拠はありません。アルビノをラベンダーアルビノに交配すれば同じアルビノ表現が揃う、という考え方は使えません。

相互の隠れた保因がないと確認されたアルビノとラベンダーアルビノなら、別々の潜性形質を受け継ぐ二重hetを作る組み合わせとして整理します。『Albino het Lavender』と『Lavender Albino』は別の構成です。

検査と個体番号をつなぐ

miniPCR DxはOCA2の欠失を対象に、非保因・het・ホモ接合を区別するDNA検査を公開しています。親候補の保因根拠を確認する際は、検査対象、個体番号、親子関係を揃えて記録します。Lavender Albinoの結果だけでPiedやClownの保因まで確定するわけではありません。

【A:異なる遺伝子との関連/C:検査の公式説明】

TYRとOCA2を調べた査読研究

miniPCR DxのLavender Albino検査資料

作用・表現型への影響

OCA2の欠失が強い原因候補

査読研究では、OCA2のコード領域18を含む1,514塩基対の欠失が見つかりました。調べたラベンダーアルビノ14頭は全てこの欠失をホモ接合で持ち、比較対象76頭は非保因、hetとして提供された1頭はヘテロ接合でした。

これは見た目からの推測より強い遺伝学的証拠です。論文は、欠失がタンパク質機能を損なうと予測されることから、ラベンダーアルビノの原因として強く支持しています。ただし、この研究自体が変異を実験的に導入して体色を再現したわけではありません。

メラニンを作る環境への影響

OCA2は、メラニンを作る細胞内小器官・メラノソームのpH維持に関わる塩化物チャネルをコードします。機能が損なわれるとメラニン合成酵素の働きが落ち、黒〜褐色の発色が大きく減る、という仕組みが考えられます。

この説明を『紫色の色素を新しく作る遺伝子』と言い換えることはできません。また、成長でラベンダー色が強くなる過程まで、この論文が直接検証したわけではありません。

【A:変異との関連、予測される機能変化】

OCA2欠失の解析と図3

他遺伝子との相互作用・コンボ

ドリームシクル:ラベンダーアルビノ+パイボールド

Dreamsicleは、Lavender AlbinoとPiebaldの両方を発現したコンボです。白い部分と、有色部の黄色・オレンジ・淡紫色の対比を楽しむ方向です。Ralph Davisの2011年の記録には、ラベンダーアルビノhetパイボールドとドリームシクルを交配し、ドリームシクルを得た実例があります。

白抜けの量だけで価値を決めず、色の残る範囲や配置まで見ます。ドリームシクルはコンボ名であり、『Dream』という第三の独立した遺伝形質を加えたものではありません。

グレイル:ラベンダーアルビノ+クラウン

GrailはLavender Albino Clownの呼び名です。Justin Kobylkaが2015年2月25日に、自身の個体写真とともにこの名称を発表しています。ラベンダーアルビノの色を、クラウンを含む柄へ広げるプロジェクトです。クラウンがhetのラベンダーアルビノを、グレイルと呼ぶことはできません。

オレンジドリーム・イエローベリーを重ねる

Royal Constrictor Designsには、Orange Dream Yellowbelly Dreamsicleの個体と、Lavender Albino・Pied・Orange Dream・Yellowbellyの構成が掲載されています。ドリームシクルを基礎に、有色部の暖色や模様の見え方を選ぶ方向の実例です。完成個体の写真を比べ、追加した形質が自分の好みに合うかを確認します。

パステルを加える

Ralph Davisの2014年繁殖記録には、Pastel Lavender Albinoの孵化個体が掲載されています。明るさや黄色の見え方を選ぶ別の方向です。追加形質が多いほど紫が必ず強くなる、とは考えず、単体との比較も残します。

【C:実際のコンボと交配・孵化記録】

ドリームシクルの2011年繁殖記録

Justin Kobylkaによるグレイルの発表

OD YBドリームシクル等の個体掲載

パステルラベンダーアルビノの2014年記録

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繁殖での使い方

繁殖での使い方の図

Dreamsicle、Grail、OD YB Dreamsicleの完成構成。潜性形質はすべて発現が前提で、hetとは区別します。1回の交配での完成や白抜け量・色合いを保証する図ではありません。

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ドリームシクルを目指す親選び

今いる親がラベンダーアルビノhetパイボールドなら、ドリームシクル、またはパイボールドhetラベンダーアルビノが具体的な相手候補です。両親が両方の潜性形質を渡せる構成にして、色と白抜けを選ぶ計画へ進めます。

パイボールドを持つ根拠のないラベンダーアルビノと、ラベンダーアルビノを持つ根拠のないパイボールドから始める場合は、まず二重hetを育てる計画になります。完成形まで必要な世代、育成場所、残す雌雄を先に考えます。

グレイルを目指す親選び

ラベンダーアルビノhetクラウンを起点にするなら、グレイル、またはクラウンhetラベンダーアルビノを候補にします。『ラベンダーが発現している親』だけで選ばず、クラウンの根拠も確認します。

完成したグレイルを使える場合は、まずその柄と成体色を基準にします。追加形質を増やす前に、頭部から背中・体側まで、どの模様を残したいかを決めると親選びが具体的になります。

自店個体77を起点にするなら

この雌はパイボールド発現・hetラベンダーアルビノとして販売されています。掲載どおりの保因であれば、ドリームシクルの雄は両形質を揃える分かりやすい候補です。子ではパイボールドを固定しつつ、ラベンダーアルビノも発現する個体を狙えます。ブラックヘッド、エンチ、イエローベリーは、それぞれ別に受け継ぎを管理します。

『この雌に含まれる3つを全部残す』ことを先に目標にするより、有色部を広く見せたいのか、暖色を重視するのかを決め、実例写真と照らして残す子を選ぶとよいでしょう。現時点でクラウンの保因根拠は示されていないため、そのままグレイル作出を予定する親とは分けます。

色を選ぶための記録を残す

親のモルフ名だけでなく、成体の色、同腹個体、孵化日、脱皮後の写真、摂餌・成長・繁殖履歴を残します。発現、確定het、poss hetをラベル上で混ぜず、検査を利用したときは結果と個体を対応させます。

以上は確認した構成・繁殖記録をもとにした親選びの提案です。白抜けの量や成長後の色合いを、親の名前だけで確約するものではありません。

【C:繁殖記録と販売個体の構成をもとにした提案】

ドリームシクルを使った実交配

グレイルの構成を確認できる作出者資料

起点となる自店個体77

Lavender Albinoの検査資料

健康・繁殖上の注意

体色の研究と健康評価は分ける

OCA2の欠失を調べた研究は、ラベンダーアルビノ固有の神経症状、視力、繁殖障害の発生率を評価した研究ではありません。この資料から『目が赤いので眼疾患がある』『OCA2だから神経症状が出る』と結び付けることはできません。

今回確認した一次資料では、ラベンダーアルビノ固有の疾病を一般化できる根拠は得られませんでした。親候補では、通常の個体評価として摂餌、成長、脱皮、姿勢や動き、過去の繁殖記録を確認します。コンボに別の形質を加える場合、その形質に関する健康上の注意点は別途確認します。

【A:研究の対象範囲/個体評価の注意】

色彩変異を対象にした遺伝学研究

歴史・由来

原系統と2001年の繁殖記録

Ralph Davis自身の記述では、アフリカから通常のアルビノとして届いた雌に、一般的なアルビノとは異なる色を見いだしました。その後、NERDと共同で別の輸入雄を入手し、2001年の繁殖で親と同様のラベンダーアルビノ4頭を得たと記録しています。

このページでは、確認できる本人の記録として2001年を示します。野外で最初に生まれた年や、最初に発見された年まで特定するものではありません。

単体から二重潜性プロジェクトへ

Ralph Davisの繁殖記録では、パイボールドと組み合わせたドリームシクルが扱われています。さらに2015年、Justin Kobylkaがラベンダーアルビノクラウンをグレイルと命名して写真を公開しました。色の形質を、白抜けや柄の異なる潜性モルフへ展開する流れを示しています。

2022年、OCA2との関連が研究で示される

2022年には、飼育者・繁殖者から提供された試料を使った研究で、ラベンダーアルビノとOCA2欠失との関連が発表されました。外見と交配記録に加え、DNAを使って保因を調べるための基盤ができたことは、親選びや個体管理にとって重要な進展です。

【C:作出者本人の沿革・命名記録/A:査読研究】

Ralph Davisによる原系統と2001年の記録

ドリームシクルの繁殖記録

2015年のグレイル発表

2022年の遺伝学論文

潜性(劣性)Recessive
両親から 1 コピーずつ受け継いだときだけ見た目に出ます。1 コピーだけ持つ子は「het ラベンダーアルビノ」と表記され、見た目は通常と変わりません。

参考資料

お店にいるラベンダーアルビノ